ビールはメタル

 

先日、渋谷のお気に入りのビアバーでビールを飲んでいたところ、ふとした考えが頭に浮かんだ。

 

「ん・・・?もしかして、ビールってメタルじゃないか!?」

 

この考えを聞いて、「確かに!その通りだ!上手いこというなあ。」なんて人がいたら是非ともお友達になって欲しいものだ。いや、なってください。

 

おそらくほとんどの人は、「は?何言ってんだこいつ。ビールとメタルの浴びすぎでついに頭がおかしくなったか(笑)」とか、「いや、そもそもメタルでなんだよ。え、ヘビメタ(笑)のこと?この時代に?(笑)」なんて思いを抱くかもしれない。

 

そんな世知辛い状況の中、それでも敢えていいたい。

 

そう、ビールはメタルだと。

 

日本のビールというと、どうしてもすっきりしたそれでいて苦いものが多く、だからこそ、「とりあえず生!」「ビールは喉越し!」「口で味わうんじゃねぇ、喉で味わうんだよ。」なんて考えが蔓延しているこの世の中であるが、本来ビールというお酒=すっきり、苦いというわけではない。

 

海外のビールが好きな方や、日本でも最近流行りのクラフトビールなんかを好んで飲む人(自分もそのうちの一人ではあるが)はよくわかると思うが、非常に多種多様な種類に溢れていて、多彩な味わいがある。日本でよく飲まれているのはそのうちのただ1種類のビールにしかすぎない。

 

この辺の味の違いについては、ホップがどうだの、麦芽がどうだの、ラガービールだのエールビールだの、というなかなかに込み入った事情があるが、説明するのも面倒なので野暮なので、とりあえずいろんな種類のビールが本来はあるんだなあと思っていてくれればいいと思う。興味がある方はどうぞ調べてみてください。

 

重要なのは、日本ではほとんどの人が1種類のビールしか飲んでいないということだ。

そのような状況で、「まじでビール最高!ビールがないと生きられないわー。」って言ってる人がいたら、それはつまり、メタリカしか聞いたことがないのに、「やっぱりメタルといったらメタリカだよねー。メタリカこそがメタルだわぁ。まじメタリカ最高。メタリカ聞かないとやってられないよね。」と言っているようなものだ。

いや本人がそれで満足しているのならこちらはもう何も言うべきでなないかもしれない。

しかし「確かにメタリカはものすごいかっこいいけど」と思いながらも、メタラーであればどうしてもこう言いたくならないだろうか。

 

「いや、正当派のJudasPriest、IronMaidenもすごいかっこいいから聞いてみてよ!!もっと激しいArchEnemyなんかはどう!?もういっそいいからMorbid AngelとかCryptopsyとかも聞いちゃいなよ!!!とにかくまだまだかっこいいバンドいっくらでもいるから!!!!」

と。

 

そう、ビールも同じである。

有名所でいうとよなよなエールのような正統派で香りだかいものがあったり、ギネスのような香ばしい匂いのするもの、インドの青鬼のようなこれでもかというほど苦いものがあったりする。

 それなのに、1種類のビールだけで満足してしまうとはなんともったいないことか、と。

 

また、1種類のビールしか飲んだことがないのに、ビールって苦手なんだよね。という発言を聞いたらどうするか。

つまりそれは、デトロイトメタルシティだけを見て、「ヘビメタって見た目がとりあえず派手な人たちでしょ?音もうるさいし、よくわかんないなぁ。歌詞も過激だし、結局ただ叫んでるだけだよね」って言われたメタラーはどうするか。

「うん、確かにそういう面もあるかもしれないね」と認めつつ、きっとこう言うだろう。

 

「でも、メタルっていっても聴きやすいのもいっぱいあるから!HelloweenみたいなジャーマンメタルやFairWarningあたりのメロハーなんてとてもメロディアスで聴きやすいし、StratovariusとかDragonforceのようなメロスピは日本人受けしやすいし、今はなんていったってBabyMetalがあるじゃない!!とにかく、一回聞いてみて!!!」

と。

 

そう、ビールでも同じことが言える。

ヒューガルデンに代表されるようなやわらかい口当たりで飲みやすいビールがあったり、フルーツビールなどフルーティでもはやほとんど苦味を感じないものもある。

それなのに、1種類のビールしか飲んでないのに、ビールとは苦手って思い込んでしまうのはなんてもったいないことか、と。

 

世界にはまだまだおいしいいろんな味のビールがあるというのに、知らないでひとつに収まってしまっていることのもったいなさ。逆にいうとどんどん自分好みのビールを見つけていける楽しさ。それはまるでどんどん好きなジャンルを開拓していくメタラーと同じではないだろうか。

 

そんなことを思いながら、その日も美味しいビールを飲み幸せを実感していました。